みほしブログ

趣味は生活と読書。

画面越しの乾杯

最近「紙の本」ならぬ「リアル飲み会」という単語をちらほら見かけるようになった。 使用例:「コロナ収まったらリアル飲み会しようねー!」 そう、いつのまにか飲み会といえば「オンライン飲み会」を指す未来に来てしまったのだ! 別に今までもオンラインで…

最後にマスクを買えた日

わたしが使い捨てのマスクを最後に買ったのは1月26日。はっきり覚えているのには理由がある。 まだダイヤモンド・プリンセス号は大黒埠頭に横付けされておらず、東京オリンピックも習近平氏の来日も行われる予定でいた時代のお話。 わたしは横浜市内に住んで…

徒歩2分の旅

3日ぶりにマンションの外へ出る。 足の感覚がなんか変。浮腫んでいるのでも筋肉痛でもなく、ふくらはぎに水風船をぶら下げているようなやさしい怠さを感じる。ほとんど歩いていないからだろう、足の筋肉がおとろえているのだ。 わたしは人口がとても多い街に…

全然書いてないのにブログを残しておく理由

最近全然ブログを書いていない。それなのにわたしはまた、このブログのためにはてなブログProの2年分の料金を送金した。改めて見てみたら、なんと去年は町屋良平『青が破れる』の書評しかアップしてないし、今年はコインチェックNEM流失事件についてしか書い…

コインチェックNEM盗難被害、日本円で返金補償について思うこと

NEMが日本円で補償される件、「よかったね」という声が多いけど顧客にとっては「ゼロになるよりは全然いいけど補償方法としては最低限」だと感じました。最善はNEM財団やホワイトハッカーの協力を得て盗まれたNEM返還、次によいのはコインチェックからNEMで…

足止めする飛び石と反涙活――町屋良平『青が破れる』

わりと本を読むほうなので、文章を読むのはそこそこ得意だ。基本的にすらすら読む。 カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) 作者: ドストエフスキー,亀山郁夫 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/09/07 メディア: 文庫 購入: 29人 クリック: 257回 こ…

#2016年の本ベスト約10冊 を選んでみた

昨年もやってみたこの企画。 www.mihoshiblog.com 今年も2016年に出版された本のなかで面白かったものをまとめました!どーーーーーーーーーーーーーーん。 #2016年の本ベスト約10冊手前味噌なものもありますが、今年出版されて今年読んだ本のなかから選んで…

「性」から自由になれる日は来るのか――古谷田奈月『リリース』書評

恩師である弁護士の教授は、いわゆる鬼畜系AVの撮影によって被害を受けたAV女優の法的支援をしていた。彼女の授業で私は初めて鬼畜系AVというものを知った。水の張った透明なバスタブに何度も沈められ苦しさに顔をゆがめる女。列をなす何十人もの男にかわる…

「普通」とたたかうコンビニマン――村田沙耶香『コンビニ人間』書評

10人産んだら1人殺せる社会を舞台にした『殺人出産』。人工授精技術が発達し生殖と家族が分離され、夫婦間のセックスが近親相姦となる社会を描いた『消滅世界』。 殺人出産 (講談社文庫) 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/11 メデ…

ガルーラ捕まえにオーストラリアでポケモンGOやってきた。

夏休みに娘とオーストラリアへ旅行に行きました。 オーストラリアを旅先に選んだのは私が南半球へ行ったことがなかったので純粋に行ってみたいとか、海外のなかでもテロの危険性が低いと予想されている国だとか、英語が通じるので母娘ふたり旅でもわりと安心…

18歳選挙スタート!17歳で投票できる人も!?

公職選挙法が改正され、今まで満20歳以上の人に認められていた選挙権が、満18歳以上の人へと引き下げられました。 選挙権要件の拡大が行われるのは日本国憲法制定後初めて。 改正公職選挙法は2016年6月19日に施行されました。つまり、今週末の7月10日に…

いい人生のための価値判断と行動指針

私もまだまだいい人生を探している最中だけど、人生どん底から這い上がれる自信もついて、やりたいこともはっきりして自分としてはいい人生を送っていると思う。よかったよかった。— 三星 円 (@mihoshi_m) July 1, 2016 確かに今現在わりといい人生を送って…

過去の事実は変えられないけど、より深く理解することはできる

あんまり過去のことは振り返らなかった。 アルバムの写真もそんなに眺めたことはない。 でも今回ちきりんさんにインタビューされるにあたって、自分の人生の略歴を書いてみた。「昔の写真を何枚か用意してください」とお願いされたのでアルバムもめくった。…

ちきりんさんからインタビュー、発信することの大切さ

Chikirinの日記でおなじみの社会派ブロガーちきりんさんからキャリアについてのインタビューを受けました。 インタビューのきっかけとなったのは私が書いたこちらのエントリ。 www.mihoshiblog.com もともとちきりんさんのブログや著書のファンで、よくチェ…

語り騙られる控えめな「戦争」小説—『冥途あり』長野まゆみ

少年ふたりと犬一匹が夜の学校に忍び込み幻想的な体験をする『少年アリス 』で1988年に文藝賞を受賞し、デビューして27年。本人いわく〈地図でいうと別枠になっている島嶼部のような〉*1ところで執筆活動を続け、長らく文学賞と無縁だった長野まゆみが『冥途…

完全な反復は存在しない―『夜、僕らは輪になって歩く』ダニエル・アラルコン著、藤井光訳

「演じる」という行為は舞台の上に立つ俳優だけが行うものではない。ひとたび人と関わりを持てばそこに何らかの演技が入り込む。母と息子、兄と弟、師匠と弟子、それに恋人同士。それらの役柄にふさわしい行為を繰り返すことにより人間の関係性は保たれると…

セブンイレブンにレジが2台ある理由

このあいだの夜、冷蔵庫の飲み物をすべて切らして、珍しく夜中にすぐ近くのセブンイレブンへ出かけた。深夜0時を過ぎているというのに、店内はなんとなくざわざわしている。なんだろう?とのぞくと、レジのカウンターのなかにスーツ姿の男性がふたり、難し…

繰り返されるほどぼやけていく「小学生」小説—『学校の近くの家』青木淳悟

小学生ってとても不自由だ。小学校は基本的に住む場所から行く学校が勝手に決められてしまい選択肢はないし、友達も大半はその学校のなかで選ばざるを得ないし、家族はそれ以上に選ぶ余地がない。カネもなければアシもせいぜい自転車くらい。それなのに高学…

中学受験を始める際におすすめの親への参考書4冊

娘が中学受験塾に通い始めて早3か月が経ちました。 そもそも中学受験するの?しないの?するとしたらどこの塾に通う?おけいこも続ける?私も忙しいし勉強を見てあげられるのかしら? 不安だらけでしたが、娘はバレエを続けつつ、大手中学受験塾に通い、そこ…

山田詠美『4U』—恋愛のアティテュード

〈男が長いことつかっていたバスタブの残り湯は、はたして、スープか。〉 山田詠美『4U』の書き出しの一節だ。初めてこの小説を読んだとき、まだルーズソックスを履いたおぼこい女子高生で、せいぜいお父さんの残り湯くらいしか目にしたことがなかった私は…

今年こそ読書記録をつけると決意して、

いちおうブログの紹介文に「趣味は生活と読書」と謳っているだけあって、私はわりかしたくさんの本を読むのである。それで、本をたくさん読むのはいいのだけど、毎年挫折していることがある。 それは読書記録をつけること。 毎年「今年こそは読んだ本の記録…

#2015年の本ベスト約10冊 をビジネス書から小説まで選んでみた

Twitterの本好きのなかで流行っている #2015年の本ベスト約10冊 というハッシュタグに影響され、2015年に出版された本のなかで読んでみて面白かったおすすめの約10冊を選んでみました。 どーーーーーーん。 1冊ずつ紹介していきます!(順不同・敬称略) 1.…

「ママっぽくない」が褒め言葉としてまかり通る少子化大国ジャパン

離婚歴あり、子持ち、シングルマザーという肩書は、ひとのゴシップ心を引き付けるのに十分なスペックであるということを身をもって学んだので、あまり付き合いの深くないところではそういった個人情報を極力出さないように注意している。 とはいえ、嘘をつい…

【解決済み】ブロッコリー茎消費問題

ブロッコリーが大好きなんである。 あの青々しいのに苦味がないやさしい味わい、茹でてなんらかの油で和えておくだけで1週間近く日持ちし、お弁当に突っ込んでもよし、肉の付け合わせに添えるもよし、めんつゆなんかを掛ければ和食の副菜もいけるし、もちろ…

中国のネット通販詐欺会社と半年に及ぶ攻防の末、バッグ代全額返金に成功した話

そう遠くない昔、銀河系の片隅で、とある30代日本人女性が、ニセ公式サイトでブランドバッグをカード払いで購入してしまい、半年に及ぶ戦いの末、その全額返金(むしろややプラス)に至るまでの地味な道のりの記録である……(スターウォーズのオープニングク…

くずれおちそうなほどの体調不良の原因が精神的疲労だった件

6月半ばの土曜日、私は池袋にいた。なんだか体調が優れなくて飲み会を中座し、人のあいだを縫うように池袋の駅を歩いている最中、ぐらりと景色が揺れた。(倒れる…!)そう思ったけれど実際にはしゃがみこむだけで済んだ。数秒ほどうずくまって、ゆっくりと…

司法試験をやめた人たちの「その後」ランキング

地味にアクセスを集めているこちらの記事。 「やればできる」なんて大嘘、必要なのはやめる勇気。司法試験に20代の9年間を費やしたからこそ言えること。 - みほしブログmihoshi-m.hatenablog.com なんでだろう?とアクセス解析を見てみたら「司法試験 やめる…

誕生日に子どもへ贈るおすすめメッセージ

おかげさまで娘が9歳の誕生日を迎えました。 娘への誕生日プレゼントは一昨年から決まっていて「本1万円分」。1万円分も本買ってあげるの!?と驚かれる方もいらっしゃるでしょうが、ちょくちょく買ってあげるとそのくらいの金額になっちゃうし、まとめて…

ハリ・クンズル『民のいない神』書評―知への欲求と妄信の近しい関係

ハリ・クンズル『民のいない神』はアメリカ南西部のモハヴェ砂漠が舞台となっている。モハヴェ砂漠はモルモン教の本部があるユタ州、インディアンが未だ多く住むアリゾナ州、張りぼてのようなカジノタウン・ラスベガスがあるネバダ州、そしてロサンゼルスを…

人間と動物のあいだ―市原ぞうの国に犬が展示されていた件と捕鯨問題

ゴールデンウィークに1泊2日で千葉へ小旅行に行ってきました。1日目は『星になった少年』の舞台となった市原ぞうの国、2日目はマザー牧場へ行くという動物にまみれた二日間でした。 市原ぞうの国はメインはアジアゾウの展示&ショーなんですが、他にもラクダ…