みほしブログ

趣味は生活と読書。

#2015年の本ベスト約10冊 をビジネス書から小説まで選んでみた

Twitterの本好きのなかで流行っている #2015年の本ベスト約10冊 というハッシュタグに影響され、2015年に出版された本のなかで読んでみて面白かったおすすめの約10冊を選んでみました。

どーーーーーーん。

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1冊ずつ紹介していきます!(順不同・敬称略)

 

1.『持たない幸福論』pha

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎単行本)

ゆるいソーシャルキャピタル論であり、過激な成長神話否定論でもある。三世代同居とか寝言言ってる政策担当者の顔面に叩きつけたい1冊。

仕事や人間関係、プライドにがんじがらめにされて苦しい人におすすめです。

 

2.『ディズニープリンセスと幸せの法則』荻上チキ

ディズニープリンセスと幸せの法則 (星海社新書)

 ディズニーのプリンセスものの物語構造論の歴史を『白雪姫』から『アナと雪の女王』に至るまでざっくり押さえられる新書。目から鱗というより、見ていてなんとなく気づいていたことを整理してあぶりだしてくれるような本です。
プリンセスものはお父さんが王さまで生まれたときからお姫さま、もしくは王子さまと結婚してお姫さまになるパターンしかなかったわけですが、お母さんが国王と再婚し連れ子としてお姫様になる『ちいさなプリンセス ソフィア』(ディズニーチャンネルのアニメ番組)についてもぜひ荻上チキさんに分析してもらいたいです!
あ、これ奥付2014年12月25日発行になってる…誤差の範囲内ということで!!

 

3.『学力の経済学』中原牧子

「学力」の経済学

amazonのランキング大賞2015ビジネス・経済部門で第9位に入った今年のベストセラーのうちの1冊。
教育書って著者の思想を正当化するためのものになりがちだけれど、この本の著者は「教育哲学はない」と言い切り、科学的データから分析して導き出せたことのみを綴っていく。がちがち論理脳の私が初めて肯きながら読めた教育書です。
ただ本の後半は家庭教育というより政府レベルの教育政策への提言になっているので、家庭で即使える教育術!という本ではないです。が、面白いです。大学生以下のお子さんがいる方は一度読んでおくと子どもへの「お金の掛けどき」を見極めることができるかも。

 

4.『マーケット感覚を身につけよう』ちきりん

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

 来年こそもっと勉強して、スキルアップして、資格取って、給料を上げたい!!と思っているそこのあなた。それってもしかして無駄な努力かもしれません。
すでに自分のなかにある価値を認識したほうが手っ取り早いし、楽しく生きられるかも!ということをちきりんさんがたくさんの具体例と共に教えてくれる本。努力の割に報われない、とこっそり思っている人へ。

 

5.『快楽上等!』上野千鶴子・湯山玲子

快楽上等! 3.11以降を生きる (幻冬舎文庫)

 単行本は2012年出版ですが、今年文庫化されました。1948年生まれの上野さんと1960年生まれの湯山さんが3.11からきゃりーぱみゅぱみゅ、カズオ・イシグロなど様々な事象を通して恋愛とセックスをしゃべり倒す本。
セックスの快楽とレイプの恐怖の違いを「予測誤差も安心の範囲にないと、自我の譲渡はできない」とひとことで斬る上野先生にしびれる。文庫の解説は小泉今日子さんです。

 

6.『皇后考』原武史

皇后考

ごめんなさいまだ読み終わっていません!!
でもほんと面白い本です。メインは大正天皇の皇后・貞明皇后について。美智子皇后が三島由紀夫とお見合いしたことがあるという話(真偽は争いあり)も初めて知りました…。
650ページ超で3000円というのもすごく安いと思う。 

 

7.『民のいない神』ハリ・クンズル

民のいない神 (エクス・リブリス)

 初めて小説内の年表と目次を作りながら読んだ本。それだけする価値のある小説です。


詳しい書評はこちら↓

mihoshi-m.hatenablog.com

 

8.『独りでいるより優しくて』イーユン・リー

独りでいるより優しくて

 1989年天安門事件と同じ年に北京で起きた服毒事件と、それにかかわった3人のその後の人生を描いた小説。

成長した3人が私と同世代で、あきらめとあきらめきれない思いのあいだで揺れる様子を読んで胸が痛くなった。三十代のあきらめきれない人たちといっしょに読んで読書会したい。

9.『優しい鬼』レア―ド・ハント

優しい鬼

 話のメインは1861年南北戦争時代の白人女性と黒人女性奴隷の凄惨な虐待と静かな絆について。丁寧に読んでいくと、主人公ジニ―の行動の動機がおぼろに見えてきて戦慄する。
外国文学だけれど柴田元幸さんの訳はめちゃくちゃ読みやすいので、ガイブンにトライしてみたい人にもおすすめ。

10.『死を忘れるな』ミュリエル・スパーク

死を忘れるな (白水Uブックス)

 登場人物の平均年齢75歳、年寄りのわちゃわちゃを描いた小説。
愛憎うずまいていても、「こいつらあと10年したら皆死んでるんだな」と思うとなんだか清々しい気分にもなるし、〈人生のある瞬間に自分が老年のどの段階まで来たかということはいったいどうすればわかるのだろう?〉と八十代後半に言われてしまうと人間って死ぬまでそんなに枯れられないのかも、と不安にもなる。
かわいいおばあちゃんになりたい☆って思っている方にぜひ読んでもらいたい本。なれません。

11.『淵の王』舞城王太郎

淵の王

もしかしたら一生グルニエへ入るのが怖くなってしまうかもしれない小説。〈あなた〉や〈きみ〉と語りかける存在の正体に気づくとさらに寒気がするかも。個人的に二人称小説大好きなんです。
怖いもの見たさあふるる人へ。

 

12.『冥途あり』長野まゆみ

冥途あり

2015年度の 野間文芸賞・泉鏡花賞受賞作。
主人公の記憶が軸になって父の戦争体験が語られていく。
時系列でもなく回想でもなく、年寄りの与太話みたいに語られていく文体がすごく魅力的で、好き。文体フェチの方におすすめ。

 詳しい書評はこちら↓

www.mihoshiblog.com

 

 

13.『乙女の家』朝倉かすみ

乙女の家

 山田詠美さんの『ぼくは勉強ができない 』や柚木麻子さんの『

王妃の帰還 』など、娘が中学生になったら渡そうと思っている本のリストがある。この本もそのリストの仲間入り。
17歳の女子高生が主人公の女系四代の家族の物語。朝ドラが好きな方へ。

 詳しい書評はこちら↓

www.mihoshiblog.com

 

…以上です!

ふーーー思ったより書くの大変だった!!ぎりぎり2015年中に間に合った!
今年はお正月休みも短いけれど、休み中に読む本の参考にでもなったら幸せです。それではよいお年を!