過去の事実は変えられないけど、より深く理解することはできる
あんまり過去のことは振り返らなかった。
アルバムの写真もそんなに眺めたことはない。
でも今回ちきりんさんにインタビューされるにあたって、自分の人生の略歴を書いてみた。
「昔の写真を何枚か用意してください」とお願いされたのでアルバムもめくった。といってもほとんどアルバムにすら入っていない束の写真で、ひっついているのをめりめりと剥がしながら見ていった。
******
ちきりんさんが私のインタビューから考えたことで、こう書かれています。
「過去の正当化」と「失敗からの学び」は、全く違うものです。
変えられるべきは(変えられるのは)過去ではなく、未来。
過去を正当化せず、失敗をそのまま受け止めることができてこそ、私達は過去の失敗から、未来につながる学びを得ることができるのです。
過去は変えられないけれど、未来は変えられる。
この瞬間から自分の人生をより「いい人生」にしたいのなら未来を変えることに注力した方がいい。
そのために私も、辛かったけど司法試験の勉強をもっと早くやめるべきだった、と「失敗」だったと認めることにした。
ところで、今回のインタビューを受けて、「過去の事実」は確かに変えられないけど、失敗に限らずそのとき起こったことをとらえ直すことによって「過去の意味」をより深く理解することはできるんだ!と感じるに至ったのです。
人は自分の過去を完璧に覚えているわけじゃないけど、「この事実はこういうことだった」と自分なりに意味づけて処理していくものだと思う。
たとえば、私の離婚直後、たくさんの友達が手を差し伸べてくれたという「事実」。
私自身は「なんかいい友達に恵まれてるなー」くらいにしか「意味」づけしていなかったのですが、インタビューのなかでちきりんさんは「それって三星さんが弱みを見せることができたから、助けて、って周りに言うことができたから、たくさんの人が助けようとしてくれたんじゃない?」と問いかけてくれたのです。
その問いかけによって、そのときの周りの友人の気持ちを多角的にとらえることができ、「そうか、これは私の長所であり、今後困ったときはまた見栄を張らずに助けを求めればいいのか!」と未来への学びへつながったのです。
友人たちが手を差し伸べてくれた事実は変わりませんが、私のなかで意味がぱあっと広がった瞬間でした。
******
一流のスポーツ選手のインタビュー記事は心動かされるものが多いです。
そりゃ一流の環境のなかで戦っている人たちなので私のような一般人に見えない景色が見えているのだろうなーと漠然と思っていたのですが、今回インタビューを受けて、すこし見方が変わりました。
一流選手の言葉が面白い理由のひとつは、インタビュイーとして何度も過去の栄光や失敗を問われることにより、何度も多角的に過去をとらえ直して意味づけを考えているからこそ、一般人が試合を見ているだけでは得られない深い点まで理解が及ぶからなのではないか、と気がついたのです。
インタビュアーがいて、インタビュイーになる経験って、過去をさらに理解する手段としてすごく有用だと身をもって知りました。
スポーツ選手やアーティストでもない限り、人生をどっぷり訊かれるインタビューを受ける機会はなかなかないと思いますが、気心の知れた友人や家族、恋人と「インタビューごっこ」をしても色んな気づきを得られそう。
そういえば、このあいだ一流プレイヤーと名インタビュアーの対談集を読んだのですが面白かったですよ!!
(↑頼まれてもいないのに宣伝)
ウメハラさんは考え抜くタイプとお見受けするから、インタビューを受けなくてもここに書いてあることはすでに考えていたかもしれないけれど、特に学校教育についての考えのくだりは、ちきりんさんからの問いでひっぱり出されて明晰になっていったように読めました。
ということで、ちきりんさんからのインタビューで「気づいたこと第二弾」についてでした!
「気づいたこと第一弾」はこちら。
ちきりんさんの連載はこちら。
それではごきげんよう!