みほしブログ

趣味は生活と読書。

人間と動物のあいだ―市原ぞうの国に犬が展示されていた件と捕鯨問題

 

ゴールデンウィークに1泊2日で千葉へ小旅行に行ってきました。
1日目は『星になった少年』の舞台となった市原ぞうの国、2日目はマザー牧場へ行くという動物にまみれた二日間でした。

星になった少年 スタンダード・エディション [DVD]

 

市原ぞうの国はメインはアジアゾウの展示&ショーなんですが、他にもラクダ、カピバラ、カバ、アヒルやペリカン等各種鳥類などの展示があって、ゾウに力をいれた小さめの動物園という雰囲気。

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そのなかにね、柴犬と北海道犬が展示されていたのです。

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大きな檻のなかに見慣れた犬がいる光景。
「なんで犬がいるの!?(笑)」
「ちょっと、犬が展示されてる!」
と犬の檻の前では来園者が驚いたり、笑ったりしている姿が見られました。

私も驚きました。
でも、ここは動物園。動物である犬が展示されていても何にもおかしくないのになぜ私たちは驚くのでしょう?

 

次の日のマザー牧場
マザー牧場も色々動物はいますがコンセプトは「牧場」なのでメインは乳牛と羊。

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↑よく見るとラクしている羊がいて面白い。

シープショーや牧羊犬による羊追いを楽しんで「かわいー♡」と羊をなでくりまわした後、
名物のジンギスカンをおいしくいただきました。

さっきまでかわいいかわいいとエサをあげていた動物をおいしく食べられる人間って残酷なのでしょうか?

 

私は羊やうさぎをかわいいと撫でる一方、ジンギスカンが大好物でラビットファーのコートを躊躇なく着ます。
そのくせ犬が動物園に展示されていればショックを受け、犬肉を食べることに嫌悪感を持ちます。

ヒトはそれぞれ食文化や生活的距離感によって「殺されて利用されているのをかわいそうに感じるか否か」の「動物定規」を持っていると思います。
ペットとして家族の一員と扱われることの多い犬・猫に対しての日本人の動物定規は、かわいそう度がMAXに位置づけられていることが多い。少しでもひどい扱いを受けているとすぐ「かわいそう!」と敏感に反応してしまうし、動物園の展示扱いを受けているのを見て躊躇を覚えます。

一方、牛や羊は食べることが当たり前の文化で育ったため、それをかわいそうとはあまり思えません。かわいそう度が犬より低いのです。魚は牛羊よりさらに低く、外国人にとっては残酷と思うこともある「活き造り」という方法でいただくことも日本人にはあまり抵抗がないと思います。

いきなり話は飛びますが、結局のところ、この「動物定規」の違いが捕鯨問題の核心なのではないかと感じました。(絶滅の危機に瀕しているか否かの判断の相違も重要ですが。)

白鯨 上 (岩波文庫)

私自身は、動物の多様性を保持するために絶滅に瀕した動物は保護すべきだけれど、それ以外の動物をそれぞれの文化にしたがい喰おうが皮を剥ごうが、文化として尊重すべきと考えています。(利用目的のない動物虐待やペットの殺処分は反対です。)

動物定規それ自体が文化や宗教に影響された多様なものであって当然だし、それを規制されるって納得いかないよなあ、と千葉の山の中でクジラについて思いをはせました。

余談ですが、私のなかで動物定規の数値が変化した動物がいます。
それは馬。馬刺しも平気で食べていましたが、高校で馬術部に入って馬に乗り世話をするようになってから桜肉を食べることを止めました。私が桜肉を食べないことも、誰かが桜肉を食べることも自由である世の中であってほしいです。